前回は、漢字二文字の横書き表記に関して考察したが、ユニフォームの漢字表記としては何も漢字二文字に限ったものではない。二文字の場合は、かなり強烈に、大きな文字で表記していくということになっていくのだが、三文字~四文字の表記の場合は、スタンダードに校名をアピールしていきたいという意図が強いようにも感じる。

 漢字四文字の横書きということでいえば、いずれも全国制覇の実績のある北関東の有力校が思い浮かぶ。作新学院前橋育英常総学院だ。これに埼玉県の花咲徳栄もある。このように、関東地区で比較的近年に全国優勝を果たしている学校に多く見られる。

 そんな中でも最も歴史的にも印象深いのは作新学院であろうか。史上初の春夏連覇を果たした1962年(昭37)、江川 卓投手で沸いた1973年(昭48)。さらには今井投手で2度目の全国制覇を果たした2016年(平28)夏も含めて、一貫して漢字四文字の横書きゴシック体「作新学院」である。

 また、隣県の群馬の前橋育英も漢字四文字横書きのユニフォームで2013年(平25)夏に登場するや、全国制覇を果たした。前橋育英の場合は、草書体で「前橋育英」の黄色を基調とした四文字に縁取りがあるのも特徴。この色合いについては、荒井 直樹監督が13年間在籍した社会人野球のいすゞ自動車のそれを基としている。因みに帽子の「ℐm」の「ℐ」の角度がいすゞ自動車の「ℐ」の角度と合わせているという拘り様だ。県内のライバル健大高崎は、前橋育英の優勝をテレビで見ていた理事長が鶴の一声で、かつてのローマ字での「KENDAi」表記から「健大高崎」とした。ただし、その後2019年秋からは再び甲子園初出場時の「KENDAi」に戻している。

 今ではすっかり、甲子園の常連校となっている常総学院も、白地にやや流した感じで臙脂色の漢字四文字横書きで1987年(昭62)夏に初登場すると、いきなり準優勝でその存在を示した。そして、1994年(平6)春の準優勝、2001年(平13)春と2年後の夏の全国優勝ですっかり全国でも有数の有力校となった。もちろん、関東地区だけではなく「常総学院」のユニフォームは、すっかり全国区の強豪校の顔となっている。

 花咲徳栄も、2017年(平29)夏の全国制覇で、鮮やかな空色と赤色の縁取りの草書体の「花咲徳栄」のユニフォームはすっかり全国に定着した。これに憧れて入学を希望する野球少年もいるという。

 他にも、甲子園の活躍で一気に漢字四文字を印象づけたチームとしては、敦賀気比日本文理佐久長聖といった北信越勢の強豪に、東北地区では盛岡大附がある。その盛岡大附のライバルの花巻東は、特徴のある漢字三文字横書きで「花巻東」と表記されている。