様々な知識を得て引出しを増やし、自分で判断する力を身につける

 

新宿シニアの練習の様子

 取材に伺ったこの日は、スプリントコーチの秋本真吾氏を招いて走力アップの練習を午前中に行った。秋本氏は、現役時代は400mハードルの選手としてオリンピック強化指定選手にも選出され、また特殊種目200mハードルの当時のアジア最高記録を樹立。スプリントコーチになってからも、これまで100名以上のプロ野球選手にスプリントの指導を行うなど、選手としても指導者としても経験豊富だ。

「年間通して見ると、プロの選手よりも小中学生に指導する方が圧倒的に多いです。昨年はコロナで少なかったですが、全国の自治体や学校を回り年間1万人ぐらいは指導を行っています」

 プロ野球選手にも指導を行ってるとあり、選手たちは慣れない動きでも真剣な表情で取り組んでいた。

 また練習では、走るフォームを作るドリルだけで無く、手押し車など基礎体力、基礎筋力を高めるトレーニングも行われた。そこには秋本氏が選手たちに伝えたいメッセージがある。

「一番は土台が全てです。正しい走り方、正しい投げ方、正しい打ち方など、カテゴリーとしては技術的なところに入ると思いますが、それを再現するためには基礎体力、基礎筋力が全てで、そこがあって初めて技術が成り立つと考えています。
その土台を強化することがまず大事で、そこをやることで僕が伝えたような技術の再現率が高まってくると選手たちには伝えました」

 この日は秋本氏によるスプリントの練習を行ったが、その他にもボールの回転数などを計測する専門家に指導を受けることもあり、伊東監督は外部の指導者を招くことに積極的だ。

「選手に足が速くなって欲しいということもありますが、色んな角度から刺激を受けて吸収する力や聞く力を養って欲しいなと考えています。様々な知識を入れることで上手くなる引出しを増やし、その中で自分で判断する力を身につければ、野球以外のところでも役に立つと思います」

 人間力の向上を目指す伝統の指導に加え、先進的な知識を積極的に取り入れる新宿シニア。この環境の中から、これからどんな選手が誕生するのかとても楽しみだ。

(取材=栗崎 祐太朗)



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