目次

[1]守備面ではキューバの実力を正しく把握することに努めた
[2]打撃面では「次につなぎたい」という結果が猛打を生んだ


 東京代表は12月15日から12月27日までキューバ遠征を行った。現地時間の17日から21日まで5連戦を行い、1勝3敗1分という成績。前田三夫代表監督を「チームが1つになった」と感動させた東京代表はどんな歩みを見せたのか、振り返っていきたい。

守備面ではキューバの実力を正しく把握することに努めた


 現地時間12月21日、キューバに勝利した東京代表は選手、首脳陣、高野連スタッフの表情が喜びに満ちていた。それだけ勝つまで苦しかったことを現わしている。まず第1戦は3対7で敗戦。先発した中村 晃太朗東海大菅生)はキューバ打線のレベルの高さを実感していた。
「キューバの打者がパワーもすごいですが、何より外角が本当に強いです」

 4回裏、8番打者にアウトローのストレートを左中間に打ち返されたが、中村は「甘いボール、コースではなく、日本では打たれていないコース」という。それを長打にされたのは中村にとって衝撃だった。中村と、リードしていた小山 翔暉東海大菅生)は「上手かったね」と苦笑いするしかなかった。
 ただ選手たちは少しずつキューバの実力、実像をしっかりと掴もうとしていた。キューバの選手は体も大きくて、パワーが凄い、球速も速い。だからキューバにはかなわないという先入観が選手たちにはあった。ただ実際に戦ってみて、3対7で敗れたとはいえ、「意外と戦える」と手応えを感じていたようだ。リードする小山はこういう。

 「中村をリードしていて、チェンジアップは弱い。そして内角のストレートはストライクコースに入ってしまえば、かなり強いですが、ボールゾーン、高めのコースは弱いということが分かってきました」


抑えとして活躍した井上広輝

 また150キロ右腕・ 井上 広輝(日大三)は「変にかわすのではなく、押していけば抑えられるのではないかと感じました」と自慢の直球で勝負することを決意。捕手の佐藤 英雄日大三)は「速球も、変化球も一辺倒にならず、高低、コーナー、緩急をすべて駆使して抑えようと考えました」と試合を重ねるごとに攻略法を編み出していった。

 結果、中村と小山は第4戦、9回一死までキューバまでリードする試合展開に。中村は逆転を許したが、決して逃げることなく、無四球、9奪三振のピッチング。井上は直球中心の配球で計2試合を投げて5回11奪三振の快投。勝利を飾った最終戦でラストバッターに対してはフルカウントから高めの143キロのストレートで空振り三振に打ち取った投球を見せ、キューバ打線の力量を把握したうえで抑えることができた。井上は東京にいたときよりも状態は良く、第3戦の平均球速143.19キロ、第5戦の平均球速は140.91キロと、力でキューバ打線を圧倒していた。
 この遠征で最も長いイニングを投げた 細野 晴希東亜学園)は、チェンジアップを駆使して、13回を投げて、自責点1、牽制で2回も走者を刺し、最も株を上げた投手といっていいだろう。