目次

[1]巧者の国士舘か?勢いのある都立小山台か?
[2]最強・東海大菅生に挑む、関東一の投手陣

 新元号「令和」が発表された4月1日に開幕した春季都大会も、準決勝、決勝を残すのみとなった。勝てば関東大会出場が決まる準決勝は、大会のクライマックスでもある。今年は国士舘都立小山台関東一東海大菅生の東西対決となった。夏に向けて手の内をみせることを意識しないですむだけに、熱戦が期待できる準決勝を展望する。

巧者の国士舘か?勢いのある都立小山台か?


 秋季都大会で優勝した国士舘は、順当に準決勝に進出した。しかし試合後、永田昌弘監督の表情は暗く、試合内容への不満は隠せない。

 最大の問題は投手陣の不調だ。先発することが多いエースの白須 仁久にしても、リリーフの山田 裕也にしても、球威はあるものの、制球に難がある。そのため、4回戦の都立片倉戦にしても、準々決勝の帝京戦にしても、猛烈な追い上げを受けた。しかも秋は抑えの切り札として活躍した山崎 晟弥はヒジの故障で投げられない状態だ。永田監督としては、投手陣のやり繰りに頭を痛めることになる。

 そのうえ、打線も大会序盤は湿りがちであった。ただここに来て好材料なのは、1番の黒川 麟太朗に当たりが出てきたことだ。黒川が出塁することで、俊足で小技のできる松室 直樹渡辺 伸太郎、長打力のある黒澤 孟朗冨田 洋佑鎌田 州真らにつながる打線に厚みが出てくる。

 さらに国士舘は秋季都大会の決勝戦で実力的には上である東海大菅生相手に、先行逃げ切りの形で勝って優勝するなど、ベテラン監督の下で、勝ち方を知っているのも強みだ。

 もっとも対戦する都立小山台の福嶋正信監督もベテランで、勝負どころを知っている。そのうえ、この春の都立小山台は、4回戦の早稲田実戦で、追いつ追われつのシーソーゲームを物にするなど、勢いに乗っている。

 4強進出の立役者は、エースの安居院勇源だ。変化球を駆使した投球で、それほど威圧感があるわけではないものの、打たれ強く、劣勢の時でも、冷静な投球ができることが強みである。さらに、昨夏の東東京大会準優勝を経験した捕手の吉田大晟とのバッテリーにも安定感がある。

 また昨夏準優勝を経験した1番・遊撃手の池本 仁志、2番・二塁手の佐藤晃という俊足の二遊間コンビが、好守でチームを引っ張る。

 客観的な戦力では国士舘が上回っているだろう。しかし今の都立小山台には、少々の差は飲み込んでしまうほどの勢いがある。国士舘の投手陣が四死球などで自らピンチを招けば、都立小山台の勢いに火をつけることになる。ベンチを落ち着かせ、鼓舞する、ベテラン監督の采配も注目したい。

 なお国士舘が勝てば2年連続の決勝進出となる。一方都立小山台が勝てば初の決勝進出で、都立校としても、1986(昭和61)年の都立足立西以来となる。平成時代、都立城東都立雪谷が東東京大会で優勝しているが、春季都大会の決勝進出はない。平成最後の大会で、平成初の都立勢の決勝進出がなるか注目される。