目次

[1]BIG4の活躍を振り返る
[2]まだまだいる期待の1年生たち


 11月20日から開幕した明治神宮大会は大阪桐蔭の優勝で幕を閉じた。今年ほどスターの活躍に沸いた年はない。

 大会前に最注目選手として挙げた広陵(中国・広島)の真鍋 慧内野手、花巻東(東北・岩手)のスラッガー・佐々木 麟太郎内野手、九州国際大付(九州・福岡)の大型スラッガー・佐倉 侠史朗内野手、大阪桐蔭(近畿・大阪)の145キロ左腕・前田 悠伍投手と1年生BIG4が準決勝に残る大会となった。

 神宮大会出場校の人気度は高く、20日、21日の土日、23日祝日の高校の部の観客動員数は次の通りとなった。

【20日】
花巻東vs國學院久我山 7000人
九州国際大付vsクラーク記念国際 6000人

【21日】
広陵vs明秀学園日立 8000人
大阪桐蔭vs敦賀気比 9000人

【23日】
広陵vs花巻東 7000人
大阪桐蔭vs九州国際大付 8500人

 コロナ禍で無観客試合が続き、有観客試合を待ちわびていた高校野球ファンの思い出に残る活躍を次々と見せてくれた。

 今回はそんなスーパー1年生の活躍を振り返りつつ、まず前編では神宮大会に出場した1年生、第2回以降は全国の逸材を紹介をしていきたい。

BIG4の活躍を振り返る


 まず佐々木選手の今大会を振り返りたい。いきなり見せ場を作った。

 大会初戦・國學院久我山(東京)戦の初打席を迎えた佐々木が直球を振り抜くと、打球があっという間にライトスタンドへ消える本塁打へ。初スイングで観客を虜にした。さらに2本の犠牲フライを放ち、3打点と上々のデビューを飾った。

 そして準々決勝の高知(四国・高知)戦でもセンター前へ適時打を放ち、大会通算4打点とした。そして最も沸かせたのが広陵戦だった。

 3打席目で右前安打、4打席目では詰まりながらも左中間最深部へ適時二塁打。そして第5打席目。インハイの直球に詰まりながらも高校通算49号となる同点3ラン。これまでの本塁打の中でも最も衝撃を受けた。

 これまで低めのボールをヒットやホームランにしていた佐々木選手。インハイの直球に対して、スイング軌道をコンパクトにして打ち込んだ打撃技術は脅威だった。結局、10打数6安打、打率6割、2本塁打、9打点。佐々木 麟太郎のフィーバーは来春の選抜でも過熱しそうだ。

 広陵のスラッガー・真鍋は189センチ89キロと恵まれた体格を誇り、中井監督から「ボンズ」と呼ばれている。明秀学園日立の好投手・猪俣 駿太投手(2年)から3安打を記録。その後も花巻東戦で3ラン、大阪桐蔭戦でも3安打をマークし、大会15打数8安打、1本塁打5打点をマークした。

 佐々木と真鍋の打撃を見ると、対照的だ。佐々木はボンズなどメジャー選手を参考にしたスイングだが、真鍋はレベルスイングの無駄のないスイング軌道でボールを捉えることができる。好投手に対しての対応力も高い。さらに非凡なのは、守備も鍛え込まれており、守りも徹底的に鍛え上げる広陵の強みも体現した選手だ。打撃に振り切ったのが佐々木、打撃だけではなく、守備も鍛えられているのが、真鍋ではないだろうか。中学時代は、投手を務めたこともあって肩も強い。一塁手以外のポジションを練習する必要性もあるだろう。

 九州国際大付の佐倉は、大阪桐蔭の前田から本塁打を放った。今大会は3安打のみに終わったが、九州大会では2本塁打7打点を記録しており、勢いに乗ったときの打棒は脅威。更に技術を高め、春では多くの好投手から快打を披露できるか注目をしたい。

 大阪桐蔭の前田は準々決勝、準決勝と13回を投げ、17奪三振と圧巻の投球を見せた。決勝戦では疲労もあり、1失点したが、それでも広陵打線の猛追を振り切り、見事に初優勝に導いた。好調時では直球が常時130キロ後半〜145キロ。スライダー、カットボール、チェンジアップ、ツーシーム、カーブと多彩な変化球を操り、制球力、投球の引き出しの豊富さは今年の明治神宮大会に出場していた大学の部の左腕投手に負けていなかった。23年度のドラフト上位も期待できる投手で、さらに体を鍛え、大きくパワーアップすることを期待したい。