17日、西東京の強豪・東海大菅生との初戦に臨む大阪桐蔭。現在の大阪桐蔭の原型を作り上げたのは2017年の大阪桐蔭世代と呼ばれている。前編ではセンバツ優勝するまでの流れを描いた。後編では、選抜から現在に至るまでの話となる。

センバツ後もモチベーション高く臨むことができた



福井章吾(慶應大)、岩本 久重(早稲田大)

 選抜優勝したチームでよく聞かれるのは注目される重圧の高さから思うようなチーム作りができなかったと聞く。ただ当時の大阪桐蔭ナインは無縁だった。エース・徳山 壮磨は「自分たちは下手くそから始まりました。

 優勝したからと言って、強いチームになったというより一人一人に自信が付いたというか、自分たちはこれくらいやれるんだという自信が付きました。

 その自信が春以降の試合で 経験を積む中で、勘違いではなく良い自信に変えられていたので負けないチームになっていきました」

 その言葉通り、春の大阪大会、春季近畿大会も優勝を果たす。徳山の思いはレギュラー選手も同じ、しっかりと自分を高め合うことができたという。

 センバツではベンチを外れ、優勝した瞬間をスタンドでみていた東本 直樹はベンチに入れなかったことを悔やんだが、気持ちを切り替え、捕手としてチームを支えた。投手が投げるボールを受けて状態を確認しながら、西谷監督へ報告を行った。そしてベンチ入りするために努力を重ね、個人練習でも夜遅くまで行った。そうした姿はレギュラーたちにも届き、一歩ずつチームとして、人としてチームを高めあった。

 最後の夏は苦しい大阪大会を制して、二季連続の甲子園出場。しかし3回戦で仙台育英に敗退し、春夏連覇はならなかった。悔しい気持ちはゼロではない。それでもやりきった思いが強かった。福井は夏が終わった時の思いを語る。

 「西谷先生を胴上げしたかったですし、史上初の二度目の春夏連覇もしたい思いもありました。でも改めて振り返ると、高校野球でやり残したことはないですし、長く野球をやり続けることを考えれば、あそこでの敗戦は自分の野球人生の中でも意味があって、ターニングポイントになったかなと思います」

 そして多くの選手が大学野球でプレーし、各リーグで活躍を収めた。だが、それだけではなくこの世代は9人が大学野球部の幹部(主将・副主将)となっていたのだ。

捕手 福井 章吾(慶應大)主将
捕手 岩本 久重(早稲田大)副主将
捕手 東本 直樹(同志社大)副主将
内野手 坂之下 晴人(関西大)主将
内野手 泉口 友汰(青山学院大)主将
内野手 小林 大介(富士大)副主将
内野手 加藤 大貴(中京大)主将
内野手  坂本 義生(平成国際大) 主将
内野手  稲田 晃大(甲南大)副主将 ※任期は春季リーグ戦まで

 これは改めて快挙であり、これからの大阪桐蔭の野球部史でも語り継がれるべきニュースだといえる。