目次

[1]大崎の優勝で沸いた20年秋/山田、東播磨、柴田の躍進も見逃せない
[2]春では掛川西が躍進 夏では長崎商、高松商が大健闘


 今年の公立校では甲子園3回戦で長崎商神戸国際大附に逆転サヨナラ負けを喫し、この世代の公立校の公式戦は全て終える形となった。今回は公立校の1年を総括したい。

大崎の優勝で沸いた20年秋


 昨秋は市立和歌山智辯和歌山に3連勝、県立岐阜商の2年連続東海大会準優勝など伝統校の躍進が光ったが、まず高校野球ファンの注目を集めたのが長崎の大崎の躍進だろう。

 清峰佐世保実を甲子園に導いた清水監督が一から大崎を徹底強化。19年秋、20年夏(独自大会)と県制覇を果たし、20年秋も盤石な戦いで県大会優勝。

 昨秋の九州大会では、準々決勝以降から甲子園でも実績のある私学の強豪校相手に勝利を収め、見事に優勝を果たした。

大崎 9−2 開新
大崎 3−2 延岡学園
大崎 3−2 明豊
大崎 5−1 福岡大大濠

 そしてセンバツまで地道でハードなトレーニングを行い、レベルアップを果たした大崎

 センバツでは1対0で福岡大大濠に敗れたものの、緻密な野球を披露した。

 長崎大会では決勝戦で長崎商に敗れたが、他の長崎の各校に大きな影響を与えたチームであることは間違いない。経験者も残り、この秋の戦いぶりも楽しみだ。

 市立和歌山もこの1年、注目を浴びた。市立和歌山小園 健太投手を中心に秋は智辯和歌山に3連勝。特に秋季近畿大会準々決勝の完封劇はさすがだった。

 センバツでは1回戦の県立岐阜商に1対0で完封勝利。2回戦では明豊に競り負けたが、実力の高さを発揮した。

 夏の大会では準決勝までコールド勝ち。決勝戦では智辯和歌山に1対4で負けたが、それでも、この1年でしっかりと成長を見せた学校として大きな印象を与えた。智辯和歌山市立和歌山の小園攻略のために攻守に磨きをかけてきた。そういった積み重ねが智辯和歌山の全国制覇につながったかもしれない。小園は21年の智辯和歌山を語る上で欠かせない好敵手だった。

 県立岐阜商も甲子園常連校として復活を遂げた。数年前、ユニフォームを刷新し、反響があったが、すっかりとお馴染みとなった。

 センバツでは、市立和歌山、夏の甲子園では明徳義塾にサヨナラ負けを喫したが、投打ともに総合力が高く、改めて振り返ると、ベスト8に入った学校と戦力的に負けていなかったといえる。年々、リクルートを強化している県立岐阜商。この1年でどんなチームを作り上げていくのか、注目をしていきたい。

山田、東播磨、柴田の躍進も見逃せない



坂田 凛太郎(山田)

 今回挙げた3校以外にも、多くの公立校の躍進があった。

 大阪では山田桃山学院清教学園浪速上宮大阪産大附履正社と私学6校を破って近畿大会に出場し、大きな話題となった。近畿大会では初戦敗退したものの、機動力を生かした野球を高く評価された。

 近畿地区から21世紀枠として出場した東播磨は近畿大会で市立和歌山相手に1対2、センバツでは準優勝した明豊に9対10と、敗れはしたが大健闘した。さらに、夏では春優勝の神港学園を破り、ベスト8。準々決勝でも報徳学園に1対2と接戦を演じ、この1年、大きく盛り上げた学校だった。

 宮城の柴田は東北大会で、学法石川東日本国際大昌平日大山形を破って東北大会準優勝。センバツ初戦でも、京都国際相手に接戦を演じた。守備、打撃ともに公立校としてはかなりハイレベルなチームだった。