目次

[1]昨年オフは投手メインのトレーニングを行い、1年だけで6勝
[2]課題は平均球速の向上

 11月19日。現地時間では11月18日、MLBは今季のMVP受賞選手が発表されました。二刀流として活躍した大谷翔平が見事にMVPを獲得した。

 そんな中、大学球界で高レベルの二刀流を成し遂げているのが日体大の矢澤 宏太ではないだろうか。

 173センチ70キロという体格から最速150キロの速球を武器に首都大通算7勝、打者としても4本塁打をマーク。外野手、投手でベストナインを一度ずつ獲得しており、逸材が多い大学3年世代でもトップレベルのプレイヤーだ。後編では、大学でも二刀流として活躍できるルーツについて迫りたい。


古城監督のススメで始まった大学でも「二刀流」


 二刀流・矢澤の投手人生の始まりは小学校からだった。町田シニア時代、エースで打順も1、3番を務め、投打の柱として活躍を見せた。藤嶺藤沢に進むきっかけは、小学校時代から西武などで投手として活躍した石井貴さんに野球教室を通じて教えてもらう機会があったこと。また町田シニアの当時の監督が藤嶺藤沢出身だったこともあり、進学が決まった。

 藤嶺藤沢在籍時、石井さんも臨時コーチとしてチームに関わっており、特に学んだことといえば、「怪我をしない」ことだった。大学野球では特別な立ち位置となる「二刀流」。矢澤にとって勝つためにはどちらも練習することは当然だと思っていた。

「勝つために、両方極めていて、普通にやってきた感じです。高校でしたら当たり前な感じでした」

 矢澤の代名詞であるフルスイング。矢澤によると小学校から意識して行い、中学校、高校とコンタクト力が高まり、2年秋から急激に本塁打が増加し、最終的に高校通算32本塁打に到達。投げては最速148キロで三振を量産。打者としても評価され、2018年度の神奈川を代表する左腕となり、NPB各球団のスカウトが熱い視線が注がれた。最後の南神奈川大会では、準々決勝で横浜創学館に敗れ、さらに大量失点を喫し、満足いくパフォーマンスはできなかった。

 そして運命のドラフトでは指名漏れとなり、すぐに日体大進学が決まった。この進学は古城監督の誘いが大きかったようだ。

「ドラフトの指名漏れをした次の日に古城監督さんのほうから、藤嶺藤沢まで来てくれて、監督と話をしてくれたみたいで。その前から、日体大の方が教育実習にきてくれていて、17年に日本一になった時の話を聞かせてくれました。

 プロに行けなかったら日体大に行きたいとは思いっていました。ドラフト終わって、次の日の朝に来てくださったので、日体大行くぞという気持ちになりました」

 また大学でも二刀流が決まったのは古城監督の進言からだ。

「チームに合流した時、最初はどっちやりたいと聞かれて、僕はチームに従いますと言いましたが、『どっちもやろう』とそこから始まりました」