持ち味を存分に出し合った投手戦を制した国士舘が磐城を下す



中西健登 ※2020年8月1日の西東京大会より

 2年連続で東京代表として甲子園に帰ってきた国士舘。一方、21世紀枠として46年ぶりに出場する伝統校・磐城。結果は国士舘が4対3のロースコアの接戦の末に勝利することとなったが、この試合を盛り上げたのは持ち味を出した先発投手2人だ。

 まずは国士舘中西 健登。昨年はベンチ入りこそ果たしていたが直前の怪我の影響で登板はできず。そこから都内屈指の好投手まで成長して15日のマウンドに満を持て登った。

 サイドスローから繰り出す角度を付けた130キロ台のストレートを軸としつつ、スライダーやシンカーを外角中心に集めて打たせて取る投球。「外一辺倒で途中から打たれてしまった」と中西自身は反省点に挙げる。

 だが、要所で決まったシンカーをはじめとしたストライクゾーンを広く使った中西らしいピッチングで、9回127球、被安打9、与四死球4、奪三振4、自責点3と聖地でらしさを発揮して守備からリズムを作っていった。

 一方の磐城・沖正宗も打たせて取ることが信条のピッチャー。力では勝負せず、低めにボールを集めながら緩急をつけたピッチングで国士舘打線からゴロアウトの山を築く。その数は12個となっており、半分を占めている。

 「バックの守備もあって投げやすい雰囲気だった」と持てる力を十分に発揮して、8回114球、被安打9、与四死球1、奪三振2、自責点2と国士舘打線を抑えた。

 そのおかげもあってか、試合時間は2時間を切った、1時間56分という締まったゲーム展開。先制は磐城。2回に4番・岩間 涼星の四球から8番・沖のタイムリーなどで2点を先取出来た。しかし国士舘も3回に守備のミスと無死一、三塁から1番・水村 颯一郎のタイムリーで3対2とした。

 6回に磐城の6番・草野凌のタイムリーで追いつかれたが直後に無死一、三塁から5番・斎藤 光瑠の犠牲フライで決勝点を奪った国士舘が勝利した。

 見事勝利した国士舘の中西は「幸せでした」と笑顔を見せた。一方で磐城の沖は「支えてもらった皆に感謝しています」と言葉を詰まらせながら感謝の言葉を残したのだった。

(取材=田中 裕毅)