8回裏関東一は、この回先頭の2番・村岡が右前安打。村岡はこの試合猛打賞の活躍で、チャンスメークの役割を果たした。さらに4番・平泉の死球などで2人の走者を置き、主将の6番・渋谷が左中間を破る三塁打を放ち2点を追加。関東一は優勝を大きくたぐり寄せた。

 本来140キロ台後半の速球を投げることができる谷だが、この大会は、130キロ台後半に抑えた球が多かった。しかし、9回表にマウンドに立つと、140キロ台の球を続けて投げる。「スピードはそんなに意識していません」という谷であるが、無意識のうちに力が入ったのかもしれない。

 それでも二ゴロ、三振と2アウトになった後、小山台の7番・森喜洋に四球を与えると、米澤監督からの伝令がマウンドに来て一呼吸を置くと、8番・藤原光基を三振に仕留めると試合終了。谷は被安打2、与四死球7、奪三振7の完封。最後に投げた球は139キロだった。

 0-4で敗れ、今大会も準優勝に終わった都立小山台であるが、昨夏の準優勝、春季都大会のベスト4、この夏も準優勝と、強豪校と何ら遜色のない素晴らしい結果を残した。練習時間が限られ、練習環境も決して恵まれていない中での快挙である。今年の準優勝で中心的な役割を果たしたのは、吉田大晟、池本 仁志、佐藤晃といった昨夏を経験した選手たちである。2年生ながらこの夏を経験した上江洲礼記や飯田瑤生らを中心に、来年の夏の活躍を期待したい。

 3年ぶり8回目の優勝を決めた関東一であるが、秋季都大会の3回戦で国士舘に負けた頃は、「このままでいいのか、考えないといけないかもしれない」と米澤監督が吐露するほど、状況は良くなかった。それでも練習を続けていく中で、実力が上がり、野球の理解度も高まった。秋までの不安定さは影を潜め、大舞台でも十分に戦えるチームになってきた。それでも米澤監督の理想を100とすれば、まだ70程度だという。短期間で急成長することは難しいにしても、甲子園での試合までの間に、どこまで高めることができるかが、甲子園での戦いのカギとなる。「甲子園では、思い切ったプレーをして、自分たちの野球ができればと思います」と渋谷主将は語る。甲子園での戦いを楽しみにしたい。

(文=大島 裕史)

2019年 第101回全国高等学校野球選手権大会東東京大会
■開催期間:2019年7月7~7月27日(予定)
■組み合わせ表【2019年 第101回全国高等学校野球選手権大会東東京大会】
■展望コラム【東東京大会展望】二松学舎大附の夏三連覇を阻むチームは現るか?東東京大会を徹底解剖!】