秋3連覇を目指す国士舘、課題多き大勝スタート



国士舘・常盤育弘

 史上初の秋季都大会3連覇を目指す国士舘の1回戦の相手は、前のチームからのメンバーが多く残る立教池袋だ。

 国士舘の新エース、左腕の常盤 育弘は、初戦の硬さか、ボール球が多く、初回は得点を許さなかったものの、ピリッとしない投球だった。

 それでも、その裏国士舘は、一死二塁から昨年の優勝メンバーでも中軸であった3番・清水 武蔵がレフトオーバーの二塁打を放ち、あっさり先制した。

 しかし2回表、国士舘らしくないプレーが出る。二死後、立教池袋の7番・谷田部雄太が四球で出塁すると、続く8番・田中佑樹は中前安打。谷田部の三塁への進塁を阻止しようとする送球が乱れ、その間に谷田部は生還し、立教池袋が同点に追いついた。
「(コロナの自粛による)2カ月間の練習ができなかった期間は大きいです。仕込めていない」と、国士舘の永田昌弘監督は渋い表情で語る。

 立教池袋は、前のチームからエースで、新チームでは主将で4番打者である吉川大輝がチームの柱だ。しかし立教池袋の古賀賢之監督は、「状態が良くないです。練習を再開した6月終わりから状態は良くなかった」と語る。コロナで長い休校期間があったため、高校生は授業の遅れと、練習の遅れに対応しなければならず、コンディションが上がらない選手がいるのも、ある面仕方ない。ただその選手が、チームの大黒柱となると、その影響は大きい。

 同点に追いつかれた国士舘は、2回裏一気に勝負を決める。この回先頭の6番・澤村 英二が四球で出ると、7番・善波 優太、8番・横手 良祐の連打で勝ち越すと、1番・市川 旭の二塁打、2番・渡井 悠真の内野安打、3番・清水の中前安打が続き、この回5点目が入ったところで、立教池袋は三塁手の中山陽寧がマウンドに上がり、吉川は中堅手になった。チームの大黒柱であるエースの吉川がマウンドを降りたことで、勝負は決まった。この回国士舘はさらに3点を追加し、この回だけで8点を加えた。

 こうなると、国士舘の一方的な展開になるはずだが、そうもいかない。原因はエース・常盤の乱調だ。3回表は四球が2個。4回表は四球2個に、8番・田中の中前安打で、立教池袋は無死満塁のチャンスを作る。続く1番・小牧叶太はセンター前に打球を放つ。三塁走者は生還したが、一塁走者のスタートが遅く、二塁でアウト。珍しい中前ゴロで、立教池袋は1点を返しただけだった。しかし国士舘の常盤は、さらにもう1個四球を出しており、4回表だけで常盤は25球を投げた。

 5回表には、立教池袋の8番・田中が左前安打を放ち、田中は、この試合は3打数3安打と活躍した。「左は苦手でないし、怖さはありませんでした」と田中は語る。大敗の中、田中は1人気を吐いた。

 5回裏に三塁手の失策で走者が出ると、立教池袋は一気に崩れ、3番・清水の中前安打で、この回3点目が入り、12-2。5回コールドが成立した。

 スコア的には国士舘の圧勝だが、国士舘の永田監督の表情は浮かない。その一番の原因は、新エース・常盤の乱調だった。5回を投げて、与四死球は9。5回コールドにもかかわらず球数は112に達した。「ここまで」フォアボールを出されると」と、永田監督はため息交じりに語る。

 2回戦は、身長190センチの大型投手・羽田 慎之介を擁する八王子と対戦する。「足を絡めた細かい野球をするしかありません」と永田監督。国士舘にとって、2回戦は大きなヤマ場だ。

(記事=大島 裕史)

PHOTO GALLERY フォトギャラリー

写真をクリックすると拡大写真がご覧になれます。