左腕同士の見応えのある投手戦!主将・関の二塁打で二松学舎大附が勝利

 この両校は、秋季都大会の1回戦でも対戦し、その時は3対1で錦城学園が勝っている。そのため、この試合の東京成徳大高の先発で、秋は2番手として登板した左腕の岩井 拓巳は、「絶対に勝ちたかった」と、強い気持ちで臨んだ。錦城学園の玉木信雄監督も、「試合前から気迫が違いました」と語り、相手のこの試合にかける思いを感じていた。

 しかし秋に対戦したとはいえ、メンバーの顔触れ、打順も、チームの仕上がりも、あの時とはかなり違う。昨年は独自大会の関係で新チームのスタートが遅かった分、秋はまだ手探り状態の感じだった。今年に入り緊急事態宣言などが続き、思うように練習ができなかったものの、双方ともしっかりチームを作ってきた。

 また錦城学園の先発は、秋と同じ2年生の梅澤忠央だが、秋よりは球威も増した感じだ。けれどもそれ以上に変化を感じたのが東京成徳大高の岩井だった。昨秋の身長が170センチの64キロでかなり小柄の投手という印象だった。さらに一昨年の秋は、168センチの51キロだった。それがこの夏は174センチの70キロ。これだけ体格が違うと、球威も全く違ってくる。

 また7月4日の試合が雨で中止になったため、東京成徳大高は前日に1回戦を戦い、翌日に2回戦を迎えなければならなかった。対する錦城学園は、2回戦からの登場で、スタミナの消耗を防ぐという面では錦城学園が有利だが、1試合夏の大会を経験したという点では、東京成徳大高に分がある。

 それでもまずチャンスを迎えたのは錦城学園だった。1回表2番・伊藤慎ノ介が左中間を破る三塁打を放った。けれども、3番・杉浦健太郎の三ゴロで三本間に挟まれアウトになる。

 その裏東京成徳大高は1番・西絆斗が二塁打で出塁したが、2番・岩井のバントを錦城学園の梅澤投手が素早く三塁に送球し、やはり得点機を逃した。

 先取点を挙げたのは東京成徳大高だった。3回裏敵失で出た走者を犠打で送り、捕逸で三塁に進み、2番・岩井のスクイズできっちり先制した。

 すると錦城学園は4回表、この回先頭の4番・工藤 木秋がレフト柵越えの本塁打を放ち1点を先制した。さらに5番・大場龍之介が二塁打で続き、7番・市川 凜の中前安打で生還し、逆転した。

 リードされた東京成徳大高は5回裏、2番・岩井が左前安打で出塁するとすかさず二盗。3番・金子航平が犠打で送り、4番・藤原淳之介は遊ゴロ。これを遊撃手の工藤が一塁に悪送球。岩井が還り同点に追いついた。本塁打を放った工藤であるが、守備では送球が安定しなかった。「あんなことはないのですが、初戦の怖さですかね」と錦城学園の玉木監督は語る。

 同点になった後は、両投手とも走者は出すものの、粘り強い投球をし、得点を許さない。そして9回裏にこの試合最大のヤマ場を迎える。この回先頭の1番・西がセンターオーバーの二塁打を放つ。2番・岩井がきっちり送り一死三塁。ここで錦城学園が2人続けて申告敬遠をして一死満塁とする。迎える打者は5番・野田成眞。東京成徳大高の森田正裕監督は、「スクイズも考えないわけではありませんが、バント失敗も嫌だし、3年生なので、強気で行こうと思いました」と語り、強硬策に出る。

 野田の打球はレフト線、フェアかファールか微妙なところに飛ぶ。ただ打球は明らかにファールになっていたが、左翼手の大場はこれを捕球。三塁走者の西がタッチアップして生還して、東京成徳大高がサヨナラ勝ちした。

 大場はもともと一塁手で、左翼手の経験は少ないという。経験値の少なさが大事なところに出てしまった形だ。

 それでもこの試合は、2回戦で当てるのは惜しいレベルの高い好試合だった。錦城学園のバッテリーも、本塁打とタイムエラーという天国と地獄を味わった工藤も、最後に犠飛を捕球した大場も2年生だ。敗戦もいい経験にして、秋以降の成長を期待したい。

 勝った東京成徳大高は、次は優勝候補の二松学舎大附と対戦する。昨夏の独自大会でも対戦し。この時は0対10で敗れている。エースの岩井は、「去年の夏のリベンジを果たしたい」と力強く語った。

文=大島 裕史

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