シード創価2年生杉江が熱投で競り勝ち、拓大一エース西田1球を悔いる

 3回戦に入り、東西東京大会では続々とシード校が登場し始めた。16日の市営立川球場には、創価が初戦を迎えた。対するは秋、春の都大会には出場できず苦汁をなめた拓大一だ。

 この試合、一言でまとめれば投手戦が最もふさわしい一戦だった。

 創価のエース・杉江 敏希は、現在2年生ではあるものの、既に完成度は抜群といっていい。セットポジションから流れるような投球フォームで、伸びのあるボールがミットに収まる。このボールは「対策もして狙っていましたが、圧倒されてしまい、手が出ていませんでした」と敵である松井監督も杉江の真っすぐを高く評価した。

 そのストレートを基本は外角へ出し入れさせていたが、勝負所で何度も厳しいところに決まり、拓大一の各打者も見逃さざるを得ないシーンが何度もあった。制球力が抜群に優れており、見ていて非常にテンポが良いので、バックの守備も安定感が生まれ、堅守のイメージが強く残った。

 杉江は冬場、ランメニューをこなして体力と下半身を強化してきた。その下半身を活かせるように、体重移動に重点を置いた下半身主導の投球フォームに変更したという。昨秋までは取り組んでいたヒールアップによるつま先立ちをあまりせず、代わりに最初から重心を下げつつ、足を上げた時に捻りを加えることで、軸足にタメを作るようにした。さらに、長いイニングを投げ抜くためにピッチングのなかにメリハリを付ける投球術を意識した。これが結果として、拓大一戦の猛暑のなかでも投げきれることに繋がったと杉江は分析する。

 また、技術だけではなく、身長167センチであることを感じさせない気迫のこもった投球を見せ続け、気持ちの強さもマウンドで何度も見せてメンタルの強さも見せた。この姿には指揮官の片桐監督も「苦しいところでも魂を込めて投げるところはエースらしい投球だったと思います」と若きエースの熱投を称賛した。

 その杉江とタイプが違うが、シード校・創価相手に7回2失点の内容で、投手戦を成立させた拓大一・小林 弘夢も素晴らしかった。
 膝を少し折って軸足にタメを作った状態でセットポジションを作る。そこから少しクイック気味で縦回転のフォームからは角度の付いたストレートが投げ込まれる。フォームそのものの安定感もさることながら、投げっぷりも素晴らしく、スライダー系の変化球を投げても腕の振りが変わらない。/p>

 どの球種を投げる時も鋭く力強い腕の振りのため、創価の各打者が手を出してしまうシーンが多く見られた。時折、制球を乱すところがありながらも、要所をしっかり締める粘り強い投球で、杉江との手に汗握る投手戦を演じてみせた。

 そんな小林含め、この試合に向けて拓大一投手陣は、「創価打者のタイミングを外そう」と気持ちよく振らせないように、ピッチングをしてきた。たしかに各打者のスイングを見ると、自分のスイングをさせてもらえておらず、拓大一の講じた作戦はハマったといっていい。

 また3投手を継投させたことについて松井監督は、「制球力には不安がありますが、先発なら小林でした。逆にマウンドさばきなどが良い中島 幹太なら中継ぎで、投球の幅や勝負強い西田 凛太郎は抑えだろう」と適性を見極めて継投させてきた。ここも各投手が自分の仕事をやってのけ、好ゲームを作り上げた。