神島のエース・笠松子龍が力投見せるも県立和歌山商にコールド負け



左手に障害を抱えながら力投する神島の笠松子龍

 神島のエース・笠松 子龍(3年)は生まれつき左手の手のひらがなく、指が短いというハンデを抱えている。右投手ではあるが、左利き用のグラブを使用し、投球後に素早く右手にグラブを着用する。大リーグでノーヒットノーランを達成したジム・アボットを彷彿させる投手だ。

 投手としての実力は十分で、この日は最速130キロをマーク。「3人いる投手の中では一番安定している」と中瀬学監督の信頼も厚い。

 打撃では左打席に立ち、左袖のアンダーシャツを右手で巻き付けてバットを握っている。この日は無安打だったが、練習試合では本塁打を打ったこともあり、「4番を打てるくらい凄い打球を打ちます」と中瀬監督は太鼓判を押す。

 小学3年生から本格的に野球を始めたが、「困ったりしたことはないです」と実力でエースを勝ち取った。しかし、この日は2本塁打を浴びるなど、9失点で7回コールド負け。「けっこう打たれたりして、自分の責任かなと思いました」と肩を落とした。

 卒業後は就職する予定で、本格的な野球は夏の大会が最後となる。目標は甲子園にと語る右腕のラストサマーに注目だ。



2本塁打を放った宮田樹(県立和歌山商)

 勝利した県立和歌山商は昨夏の独自大会で活躍した選手も多く、個々の能力が高いチームだ。エース左腕の宮田 率生(3年)は球速こそ120キロ台後半だが、丁寧にコースを突く投球が光り、失点は4回の2ラン本塁打のみにとどめた。

 昨夏は4番を打っていた宮田樹(3年)は6番で出場したが、2打席連続本塁打を放つ大活躍。長打力には目を見張るものがあり、今後のアーチ量産に期待したい。

 1番を打つ吉田新(3年)は俊足巧打のリードオフマン。逆方向にも長打を打てる選手で、この日は本塁打が出ればサイクル安打という活躍だった。ボテボテの内野ゴロでも内野安打に出来る脚力は相手にとって脅威になるだろう。

 次戦は秋準優勝の和歌山東との対戦だが、面白い戦いが期待できるのではないだろうか。

(取材=馬場 遼)

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